地獄絵

- お盆の風景 -

 

  お盆の季節がやってまいりました。当山ではお盆の時期に、本堂に地獄の絵を飾らせていただいております。

 この絵を楽しみにされている檀家さんもいらっしゃるようで、不精して出さないでいると、「地獄の絵は出さないんですか・・・」と聞かれる事もあります。

 私も小きい頃は、怖いもの見たさで、よく本堂に見に行ったものです。

 そこに描かれている死者の審判官閻魔大王は、恐ろしく大きく怖い姿でありましたが、対する審判を仰ぐ死者は、痛々しいほど哀れな姿でありました。

 死後こういう地獄絵の世界が、本当にあるかないかは別として、何年か前N放送局が、死、および死後の世界を検証する番組を、長時間にわたり放映しました。

 私はその中で日本と同じように、外国のチベットにも、亡くなった方に対する四十九日の法要があること、死後、成仏するためには死者の生前の行為、信仰の有無等を重要視する事、また亡くなった直後、金色の世界が現れ、様々な諸仏が死者を極楽に導こうとすることを知り驚きました。

 今でこそ、臨死体験者を通して、そのような世界が、あるなしはともかく、人間には金色に輝く世界を感知できる能力が備わっていることはたしかなようですから・・・。
 お盆は、釈迦十代弟子目連が、諸仏を供養する事によって、生前の行為により餓鬼道に落ち、地獄の苦しみを味わっている母を、そこから救ってあげたのが始まりと聞きます。

 お盆の行事が、このような遥か昔より、まして遠いインド、チベットから引き継がれてきたことは、火のないところには煙は立たずといわれますように、私には地獄絵の世界とともに真実を伝えているように思われてなりません。

 お盆は、久しぶりに再会した親族などと故人をしのび、供養させていただける、本当に有り難い行事ではないでしょうか。

心光寺 宗川 太洋

 

  佛教酔談
Copyright 2001-2006 心光寺 | 利用条件